北斗杯KP考察1

Heitoさん主催の北斗杯のKPの考察。
構築固定で数戦戦う為のパーティの被りポイントが集計されている為、週末大会よりも質の良いデータが取れていると思います。
定期大会である週末大会は手軽に参加できることが良いところなのですが、それ故完成度が低めであったり環境などを考慮しない構築の持ち込みもし易く、大会一度のKPで環境を考察するのは難しいため、今回のように調整された構築が多く持ち込まれるような大会のデータは非常に重宝します。(勿論週末大会のKPも考察の材料としては重宝させていただいております)
未だ大会自体は終わっていないためそちらの動向も興味深いところなのですが、折角ブログの題材としていいものが転がっていたので先取りして扱わせて貰うことにしました。
予め断わっておきますが、パーティは未公開状態であった為KPのみを見た分析となっております。後々そちらを確認の上修正を行うかもしれません。

前置きはここまでにしておいて本題に入っていこうと思います。
題材となるKPはこちらです。
弱虫
主催のHeitoさんにお借りしました。ありがとうございます。

先ず、主要なタイプの内訳から細かく噛み砕いて考えていきます。
今回主要なタイプとして挙げるのは『ドラゴン』『かくとう』『でんき』『はがね』の4タイプです。複合タイプのポケモンに対しては複数回扱います。

・ドラゴンタイプ

ラティオス 12 32.43%
ガブリアス 12 32.43%
カイリュー 9 24.32%
キングドラ 4 10.81%
サザンドラ 3 8.11%
ラティアス 3 8.11%
オノノクス 2 5.41%

全体のポケモン数の20%越えの驚異的な採用率です。
中でもラティオスガブリアスカイリューの3体の数が目立ちます。

ラティオス(アス)は同タイプ、格闘タイプ、電気タイプと現在主流の3タイプに対して強く出ていける為納得の採用率トップです。特にBW2以降解禁され猛威を奮っているキノガッサボルトロスに対してのカードとなる点は見逃せません。種族値の高さやタイプ構成などどれをとってもピカイチなポケモンであるためあらゆる構築に採用し易く、個人的にはむしろ少ないぐらいに感じます。

次点でガブリアス。このポケモンも同タイプに比較的強く、加えて一貫し易い電気タイプを完全にシャットダウンできるという強力な特性を持つためこの位置につけているのは納得でしょう。エースとして強力なポケモンであると同時に、パーティの方針に合わせてアイテムスロットの変更で柔軟な選択肢になれるという点も採用率の高さの一因であると考えます。個人的に鉢巻の採用でラティオスと同様にキノガッサFCボルトロスに対して強く出ていけるという点に最近は注目しています。

上位2体に一歩遅れる形で着けているカイリューもこの位置が妥当でしょう。BW以前ではガブラティを越える採用率を誇った時期もあったのですがキノガッサやFCボルトロスのように積み等のタイムロス無しにアドバンテージを叩き出すポケモンが増加したため、積みを前提とするカイリューエースの構築は不利を強いられる場面が増えたと個人的には考えています。要カイリュー構築は(ガブリアスラティオスと比べて)カイリュー自身に明確に役割を持たせる構築ではない為、周りに掛かる負荷が重く元々窮屈であった構築が更に窮屈になったのがその一因です。
前環境でも繊細な構築作りが求められたカイリューですが、現環境ではその傾向が更に強くなっているのでシェアが下がるのも無理のないことです。

キングドラに関しては天候構築の項を後々設ける予定なのでそちらで触れたいと思います。
その他のポケモンに関しては割愛。思っていたより多かったのですが誤差の範囲ということで勘弁してください。

・格闘タイプ

キノガッサ 12 32.43%
テラキオン 5 13.51%
コバルオン 4 10.81%
ローブシン 4 10.81%
カイリキー 3 8.11%
バシャーモ 2 5.41%
コジョンド 1 2.70%

個人的に現環境の鍵を握っていると考えているタイプです。圧倒的なキノガッサのシェアが目立ちます。

ドラゴンタイプの項でも触れたのですがこのポケモンがリリースされたことによる影響は大変大きく、そのことにより前環境以前より存在した多くの構築が形を変えることを余儀なくさせられました。高威力の先制技による全抜きを見据えた動きと、通ればポケモンを1体半機能停止に追い込むことのできる催眠技の2つの選択肢を手軽にチョイスできるという点が魅力であり、厄介なポケモンです。先制催眠であるため一見厄介で無いように見えるキノコの胞子も2ターン以降の眠りが継続してしまうとさあ大変。横やキノガッサ自身の行動を通されてしまうとあっというまに暴力的なアドバンテージを稼がれ負けに追い込まれてしまいます。
最善とは言えない手であっても取り敢えずのアクションがアドバンテージに繋がってしまう可能性を秘めているのが本当に厄介で、使う側に回るのがベターであるとも言える為この採用数は納得です。
個人的には現環境においてはキノガッサに先制できるSであるというだけで一定の価値があるというレベルだと思います。
その為、スカーフカイリキーの数はもう少し伸びても不思議ではなかったかなという印象です。襷キノガッサを一方的に抑え込める可能性を持った同タイプというのは非常に貴重であり、需要が高い格闘タイプにおいてそういった特性を持つスカーフカイリキーの評価はもう少し高くあるべきと考えます。
コバルオンテラキオンに関しては正直よく分からないです。高いSと一致120のメインウェポンは確かに魅力的でタイプ構成も優秀である為、手なりで採用された構築が多いのかなぐらいの印象です。
新たな特性がリリースされたにも関わらずローブシンがこの位置なのは前述のキノガッサの存在が大きいですね。トリックルームを絡める構築は全般厳しくなってしまったと思います。
バシャーモは正直あんま強くないと思うので入手難易度込みでこんなもんでしょう。

・電気タイプ

FCボルトロス 13 35.14%
ボルトロス 7 18.92%
ライコウ 4 10.81%
サンダー 4 10.81%
ジバコイル 2 5.41%


格闘タイプに続き、BW2以降で大きくシェアが入れ替わったタイプです。前環境でもタイプ内での熾烈なシェア争いが繰り広げられたタイプですが、BW2でリリースされたFCボルトロスにより再び大きな変化を迎えることになりました。
そして、同タイプに対するメタ性能を持つ特性と145もの高いC種族値で今大会におけるKPトップに立っています。このように大きなシェアを占めるに至った理由を説明するのは簡単で、前文に記した同タイプに対する性能と高いCによるビート性能が主な要因であると考えます。
元々電気タイプはサブウェポンに恵まれず、複合タイプを得たポケモンにおいても同様です。よってメインウェポンの価値が必然的に高くなり、それ以前にメインウェポンの一貫性の取りやすさや厄介な水タイプに対するメタとしての価値を期待されての採用が主でした。そのメインウェポンが同タイプで完全にシャットアウトされてしまうのは本当に辛く、採用する側に回らないことに理由を捜さなければならないレベルです。また、複合タイプの飛行がキノガッサへの対抗手段となるという点も見逃せず、それも採用率の高さを裏付けています。
Cの高さもエースとしての役割に期待するのに十分であり、少し趣が違うものの前環境におけるカイリュー的な立ち位置を獲得してるように思います。

KP次点に立ったのは同種族であるボルトロス。対キノガッサの性能を評価された部分が大きいと考えられます。加えて多くのポケモンにSの有利をとれる111であり、めざめるパワー氷の使い易さが個人的には評価が高いです。納得のKPだと思います。

ライコウサンダーは割愛。これらを採用する理由があるパーティだったんでしょう。

ジバコイルは前環境と比較して見るも無残に減ってしまいました。雨でのシェアはボルトロスに奪われ、加えて拘り電気を打ちづらくされたのでは仕方ないです。元々ガブリアスさえ処理すれば優位に立てるような相手が多かったため採用されやすかったポケモンな訳ですが、もう1枠有利に立てるようなポケモンが増えてしまうとどうにも厳しいです。

今回はここまでにしておきます。
次回はがねタイプ、その他のポケモン、天候構築について書く予定です。